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感想『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』前半戦【FGO 2部 6章】

<2021.8.11追記>

後半戦&戴冠式(崩壊編)の感想はコチラ

感想『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻』後半戦&戴冠式:失意の庭と聖剣作成【FGO 2部 6章】 - 黒輔処理場

 

<2021.07.31追記>

終局特異点ソロモンの感想はコチラ

感想『Fate/Grand Order -終局特異点 冠位時間神殿ソロモン-』6周年の記念すべき日に旅の終わりを見届ける - 黒輔処理場

 

<2021.07.15追記>

後半はかなりのボリュームなのもあり、少しゆっくり目に進めようと思います。

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創造神・奈須きのこの手による約半年ぶりのメインストーリー!待ってました!

 

というわけで皆様、アヴァロン・ル・フェ前半戦をクリアしてまいりました。

メインストーリーの更新ペースがだんだん遅くなっていることもあり、昔ほど 『FGO』を遊ぶことはなくなりましたが、やはり本編更新とあらば「各地に潜伏していたジオン兵残党」のように動き出してしまいます。

 

LB6章は分割実装となりましたが、前半と銘打ってるとはいえ内容的にはまだ3割。え、この2倍以上も後半に実装するの...?中編と後編に分けてくれてもいいぜ?とはいえ、オリュンポスの時とは違って実装日が公開されているのは気を揉まなくて済むので有難いですね。

 

 

全体を通して...

さすが奈須きのこさんだなぁというか、読者を適度に笑わせ、適度に不安にさせてくれるあたりが絶妙だと思いました。もちろん、興味が離れることもない。

無駄な引っ張りがなく、ネタの開示のテンポが良いんですよね。道中である「あれどうなったのかまだ分からないんだっけ...」とか「あそこで言ってたアレって、やっぱりこうでしょう?」の答え合わせを忘れないうちにやって頂ける。間に戦闘が挟まったりすると意識が途切れちゃったり、既読箇所の記憶が曖昧になったりするんで、そういう点にも気を配ってるのかもしれませんね。(しらんけど)

答え合わせが早いだけでなくて、ところどころ読者の意表を突いてくるのも良い。まさかのキャラクターが出てくる箇所が何か所かあって、ヘンな声出ました。予想しなさすぎか?笑

 

※※※ここからはネタバレ注意※※※

 

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Fate/Grand Order』、TYPE-MOON、2015-2021年より。

戦闘面について

まだ序盤なんで案外楽な箇所多かったですね。妖精騎士との戦いはだいたい耐久か負けイベですし。9節「ノリッジの厄災」はアルターエゴ村正のスキル3使って宝具を3発出せば勝てちゃいましたし。8節とかその辺のオキクチャンが一番強かったかもしれません。(オキクチャンとは)

ひとつ言うなら固定編成の戦いが多く、ちょっともどかしかったかな。マシュとハベトロット固定の戦いはなかなか相手の体力が減らず大変でした。

しかしながら、後半戦はおそらく難易度の高いクエストが展開されるのでしょうね... 妖精ガウェインや妖精ランスロットは、1部6章のトラウマバトルを連想させるギミックでした。そこらへんはコンテ必須かの。

妖精國

なんだか全体的にファンタジーな絵本だとか、古き良きデ〇ズニーアニメでも観ているかのような異聞帯でした。一方で、実は深い深いウラがあると言うのも、その手の作品にありがちで、スッと入っていけました。

しかしながら、人間が「飼われている」というのは、なかなか拒否感が強かった。妖精たちが人間の文化を「表層だけ模倣している」というのも、その嫌悪感を強めていますね。文化の盗用ってヤツなのかな。

同時に、我々も犬や猫などを愛玩動物として所有するけど、動物たちからしたら、やはり良く思わないのだろうか…などと、色々なことを考えてしまいました。妖精たちの人間に対するスタンスはそれぞれで、友好的で尊重してくれる者もいたけれど、基本的に「この世界の霊長は妖精である」ことは揺るがないみたいですし。普段の人間の驕りというのも同時に感じた世界観でした。

キャラクターについて

アルトリア・キャスター

アルトリア・ペンドラゴンにあたる人物。「キャスター」は姓にあたるのだろうか。汎人類史のアルトリア、特に我らが一番よく知る「セイバー」の彼女とはだいぶ違って、本当にこのお年頃の素朴な少女という感じ。

それでいて、根っこの生真面目で負けず嫌いなところは変わらないというか、むしろこれが「素」の性格であることを感じさせる。(セイバーリリィが一番近いのかな。)こっち側のアルトリアも本来このような性格で、かつLB6で歩むような経験をしてあの正確になったのでしょうか。そう思うと、ちょっと泣けるなぁ。(とはいえ、担当声優の川澄氏によるとこれまでのアルトリアとは根本的に違うところがあるらしいけど...

「予言の子」という民衆の身勝手な期待を背負わされているという点ではとても心苦しいし、行く末が想像できるからこそ不安。ごく素朴で普通の子が大きな使命を果たさねければならないという、FGO主人公と同じ境遇であります。LB6の実質的な主人公として、どう運命に自分の中で落とし前を付けるのか。

妖精騎士トリスタン

期待通りの活躍(笑)でした。小生意気な娘には吠え面をかかせよという諺の通りですね。(そんな諺はない)でも、身長は170cmあるんだよね。アルトリアと因縁を結んだり、ベリル・ガットとも関係が深いことで、一番ピックアップされる子になりそうです。第3再臨はなんだか物凄い姿になってるようだけど...

オークション会場ではアルトリアに敗北したとはいえ、汎人類史のトリスタンを圧倒していますので、後半では心して相見えたほうが良さそうです。

妖精騎士ガウェイン / 妖精騎士ランスロット / 妖精國女王モルガン

・妖精騎士ガウェイン

ガウェインが好きそうなガウェイン。耐久戦は超人オリオンのおかげで1ゲージ割りました。

・妖精騎士ランスロット

妖精騎士の中では一番強い。毎ターン宝具撃ってくるけどまさかマシュが倒れるのが終了条件と思わず、ひたすら耐久してしまいました。

・妖精國女王モルガン

あまり出番はなかったようだけど、あの冷ややかな目つきが大変良いと思います。なお召喚はできませんでした。そういえば、2部後期OPに出ている3人娘(妖精騎士の3人と判明)こそが「3人で1人のモルガンなのでは」とも予想されてましたが、結果はアルトリア顔が増えたと...

千子村正

お前かい!アルターエゴ時限定のボイスとスキルがあるようなので、サポートで選択しなかった諸兄は後半で選択しよう。

ストーリーでは、キャストリアとの絡みが微笑ましい。原作の士郎とセイバーとは全く違った味わい… 呉越同舟といった経緯で手を組みましたが、やはり再び袂を分つのでしょうね。

そして、士郎の顔で「そっちまでは救えねえ、諦めろ!」とか言われると流石にギョッとします。価値観がエミヤ寄りになってるんだなぁ。

ペペロン伯爵

お前かい!(2回目)彼の過去は概ね予想通りでした。他人への情よりも「潔癖であること」を優先する生き方、それはそれで、なんだかんだで「道を往くもの」なんだと思います。

マシュ

記憶が消えても彼女の人格が全く変わらないどころか、むしろ光が増してるように見えるのが、マシュという人の旅路を物語っていたといえるのではないでしょうか。とはいえ、浮き彫りになった事実もあるので... 後半でどのようにアンサーを出すのか、見守りたいですね。

ダ・ヴィンチちゃん

超絶美少女ダ・ヴィンチちゃんですがなかなか縁がないんだよね。まさか第2再臨のメイドっぽい恰好が活かされるとは...もともとの構想にあったのか?

1部6章でもダ・ヴィンチちゃん(大)が共に出撃し、一度死んだと思いきや生きてましたが、今回はどうなるのやら...?

ガレスちゃん

本来はガウェインの妹ですが槍を持つ妖精として登場。どんな子なのかミリしらだったんですが、意外と物言いが辛辣で笑った。超余談ですが、『劇場版 神聖円卓領域キャメロット』ではガウェインに斃されてしまうシーンが描かれていましたね。竹箒日記の6章zeroだと当初は獅子王側だったようですが、映画では最初から反獅子王側のように描かれておりました。

トリスタン

短い登場ながらも鮮烈な印象を残していきました。神聖円卓領域キャメロットでは敵でしたが、味方になると頼もしいことこの上ない。

ベリル・ガット

まじで最悪のタイミングで居合わせるよね...。謎にマシュの解像度が高くて気味悪い(褒めてます)。トリスタンとの絵に描いたような悪の夫婦(めおと)って感じがいいね。この手のキャラはめちゃくちゃ悪態付きながら死ぬか、何やら満足死かどちらかだと思うんですが、どうなるのかねぇ。意外と生き残るルートもありか。

氏族の長たち

・ムリアン

翅の氏族、グロスター領主。なんで最初顔隠したのかと思いきや、納得の理由でした。以外と高潔な人物かも?とも思いましたが、すぐに本性が読者に開示されるこのテンポ感が素晴らしい(笑)

・ボガード

牙の氏族、シェフィールド領主。稲田徹さんの声で喋りそうなキャラ。粗暴な憎まれっ子なのに領民には割と慕われてるのは、それだけ領主として有能だったんでしょう。マシュを娶るとか言い出した時はオイオイオイってなったけど、ぶっ飛ばされるときの躍動感で笑ってしまった。でも、最期はただただ悲しかった。マシュの健気な性格が、良くも悪くも影響してしまったなぁ。

・ウッドワス

牙の氏族の長、オックスフォード領主。国士ではあるんだろうけどなぁ、って人。

・オーロラ

風の氏族の長、ソールズベリー領主。ベルサイユのばらとかに出てきそう(適当に言ってます)。一番無害そうだけど何か裏があるのだろうか?

スプリガン

土の氏族の長、ノリッジ領主。資本主義の権化。エネミーのスプリガンとは名前が同じ名だけかな?

妖精たち

・ハベトロット

立ち絵だけかな~と思いきや、まさかの実装キャラ(7月にPUがあるかな?)。ファンタジックなLB6ですがその中でも頭一つ抜けて絵本とかに出てきそうな見た目とキャラ付けがされてると思います。

・ロブ&ワグ&ウィンキー

こてこてのゴブリンって感じのビジュアルでしたが、ロブとワグはいいやつらだった。子悪党だけど根っからの悪党ではないというキャラ。最期、辛かったなぁ。こういうやつらもファンタジー作品によくいるよね。ウィンキーはもしかしたら、生きてるかもしれないね。

妖精王オベロン

良い意味でイラストが浮いてるよね。ちょっと異質というか。性格的にもマーリンポジションの人...否、妖精ですね。2部後期OPだと敵っぽそうだったけど、普通に味方なんですね... 裏切らないよね?地道にコネづくりをして妖精たちも集めた自分の領域を作ってたすごい人。でも借金は返してね。

賢者グリム

早く正体を現しなさい!!!

レッドラ・ビット

キミは牙の氏族じゃなくて騎馬の氏族の間違いだろう?

生きるための「目的」

 

キャメロットって「贖罪」という過去志向のテーマが描かれていたと思うんだけど(劇場版後編は大変良かったですね)、アヴァロン・ル・フェでは「生きる目的」「アイデンティティの確立」という未来志向のテーマが描かれているように感じます。

妖精は生きる目的(「個」を成り立たせる為、自分の中に必要な柱のようなもの)を失い、また名前(「個」を外部から特定するのに必要なキー)まで忘れてしまうと、モースという怪物になり果ててしまいました。

詳しくは後編が配信されたときに深堀してみたいですが、何だかんだで人間賛歌を描く奈須きのこ氏のことですし、おそらく「個の確立という成長」というような切り口から心を揺さぶる物語を見せてくれるに違いない!と思っているので、当たってたらホメてくれ。

 

後半戦&戴冠式(崩壊編)の感想はコチラ↓

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