どうも、黒輔です。ブログの更新は約一か月ぶりですが、いかがお過ごしでしょうか。
さて今回は!あの名作『ターミネーター2 (Terminator2: Judgment Day)』の正統続編と銘打って製作された(何度目かの)映画『ターミネーター: ニュー・フェイト(Terminator: Dark Fate)』の感想記事です。
最近洋画はアメコミばっかり観てるような気がしてたので、そういう意味もあってワクワクしながら観に行きました。映画の内容に関しては、期待しすぎず「2と1の次に面白ければいいか」ぐらいのノリだったんですが・・・。でも、映画館に行くのは楽しいものです。
率直にどうだったかというと、普通に面白かったかな~っていう感想。すごく良かったわけではないが、ダメでもない。そういう面でも『ターミネーター3』以降のターミネーター感ありますが。でも、『T3』以降の作品だと僕は一番に好きになれるまではあるかなー。「(全米で)売り上げが爆死」とか言われてますけど、そこまで酷いとは思わない。みんな食わず嫌いしてるだけじゃないのか。気持ちはわかるけど(笑)すごくターミネーターっぽいなぁっていう内容でした。
お年を召したリンダ・ハミルトンとアーノルド・シュワルツェネッガーはもちろんカッコいいので、人によってはこれだけで観に行く価値はあるかと。(シュワちゃんが映画に出るのも、あと何回あるかわからんし)キャスト面でいえば、新キャラのマッケンジー・デイヴィス(グレース役)も話題になってますね。僕としてはダニー役だったナタリア・レイエスも良かったと思うんですが・・・終盤にかっこいい顔を見せてくれるし。
※以下ネタバレを含む感想/評価/レビューとなります。
サラ&ダニー&グレース 3人の女性たち
キャストクレジットでも1番に来てるという、主役扱いのサラ・コナー。突如運命に巻き込まれるダニー。未来から来たグレース。ストーリー上の主人公はこの3人の女性ですね。女性キャラが全面に出てるとこのご時世「お、ポリコレか?」となる人も多そうですが、ターミネーターは元々サラ・コナーの物語でもあるんですよね。だから、主役となる女性を世代交代していくのは構図としてまあまあ奇麗だと思うんです。未来の象徴としてグレースもいるしね。
ただ、ダニーが「未来の救世主の母親」ではなく、「救世主自身」であったというのは現代の風潮やな~って感じです。僕はそれ自体は良いと思うんですけど、事実の明かし方に芸が足りなかった。全体的にセリフでの説明や回想に頼りすぎていて、もっとうまくやれたやんか!?と思うところはある。グレースの気持ちを考えるとまあ分からなくもないんだけど。
ちょっと面白いのが、Twitterで「ニューフェイト」と打ち込むと、検索候補に「百合」って出てくること(笑)僕は何でもかんでも恋愛関係に持ち込むのがあまり好きではないんだけど、まあそういう関係性は見いだせるよね。守る側と守られる側なんだけど、実は守られる側のほうが強いみたいなヤツね。・・・いいね!いい主従関係。素直に魅力的だった。終盤のダニーの目つきも光るものがあったし。ラスト、車を自分で運転するのも象徴的でしたね。
グレースの鎖ヒュンヒュンアクションもよかった。あれはたぶん予告編になかったよね?温存してて正解だったと思う。ただ、弱っていたシーンも目立った感じ。もし次回作があるなら、弱点を克服して思う存分大暴れしてほしい!
賛否両論・・・?
この映画、主に2つ「あれ・・・」って思ったポイントがあるんですよね。1つは冒頭におけるジョンの死、2つ目はT-800関連かなと。
冒頭からやってくれましたよね。若いサラとジョンが出てきたと思ったら、T-800が出てきてあっけなくジョン・コナーが死亡。「は??????」って感じでしたもの。ジョンが死んだら『T2』は何だったんやってなりません?『T3』でやった「審判の日は回避してませんでした」よりかはマシかもしれないけど、ジェームズ・キャメロンが関わっていてこうなるとはなぁ・・・ リージョン(レギオン)という新たな敵が出ていますが、スカイネットは結局滅ぼしたってことでいいんだよな?
一応、制作側の言い分も聞けば、納得はできるんですけどね。審判の日が回避されたらジョンは戦わなくて良い代わりに何の変哲もない一般人として過ごすのか。それはそれで変な感じがしますよね。逆にサラが死んでジョンが生き残ったパターンとかでも作れそうな気はしますが、そうすると『T3』になっちゃうのか。(『T3』でのジョン・コナーはちょっと残念なキャラになってましたしね...)続編を作るって難しいな・・・
今思えば、事前情報にジョンや成長後のジョンらしき人物が影も形もなかったことで察するべきだったんでしょうね。エドワード・ファーロングがちょっと出てるってのも序盤のアレだけか。
2つ目のT-800関連。これは言っていいのかな。T-800出さないほうが纏まり良かったんじゃないかなって思っちゃった。もしくは、もう少し出番を厳選するとか。もちろん僕はシュワルツェネッガーが好きなんだけど、今回についていえばノイズになりかねない。疑似家族の形成と別れとかもそこだけ見ればいいんだけど、だいたいT-800が自分で口で言っちゃうし。まぁ、「人間がなぜ泣くか分かった。俺には涙を流せないが」を思わせるシチュエーションだったのはよかった。
実は僕、『ターミネーター4 (Terminator: Salvation)』は結構面白いと思ってるんですよね。(結局ジャッジメント・デイは起きてる設定ですが、改変前の歴史と思えば、まぁ・・・)あまりにも売り上げが振るわなかったらしくあの路線での映画はなくなっちゃいましたが、シュワちゃんありきでなくても出来なくはないと思うんだけどなぁ。結局は売れないのか。サングラスをあえて掛けないシーンとか、"I won't be back"とか、そういう決意表明のようなものは見て取れるんですが。
一つの作品に印象的すぎるキャラクター(およびキャスト)が居ると、どうしても彼らなしの続編に抵抗が生まれますよね。『ターミネーター』のシュワもそうですが、『スターウォーズ』はスカイウォーカー家の話でなきゃ...とか、『ガンダム』はアムロとシャアがいないと(もしくはその拡張でないと)なぁとか。僕も陥りがちですが、それをやってるうちは縮小再生産になるだけなんですよね。制作側も鑑賞側も態度を改めていかないとダメなんですよね~・・・
ターミネーター感
ストーリーはやっぱりこれぞターミネーターだなという。未来の恩人を助けるためにタイムトラベルするとか、クソしぶとい機械生命体からひたすら逃げまくるとか。ツボを押さえてますよね。時を越えた忠義はやっぱり感動的。公開前に「『フォースの覚醒』のよう」という評判を聞きましたが、まさにそれ。二番煎じと捉えるか良いリブートと捉えるかは人次第になるやつ。僕は好きなほうですが。
あの新ターミネーターREV-9はいいしぶとさでした。「こいつまだ襲ってくんのかよ、いい加減倒れろボケ」って観客に思わせるぐらいのしぶとさがあってこそ(笑)機械と人間に分かれることができるのも良かったですよ、トリッキーな戦い方ができるし。あのT-1000も分身は成しえなかった。日常に溶け込むも、些細なことでバレるっていうのも過去作を思わせるシーンでしたね。ただ、キャストの顔がなんか優しそうなんだよな・・・。逆に怖いかもしれんけど、かってのロバート・パトリックみたいな敵が欲しかった感はある。
おわりに
というわけで今回の『ターミネーター: ニューフェイト』、文句もけっこう書きましたが決して嫌いなだけの映画ではないんですよ。好きポイントもあるし。『ターミネーター』ってやっぱり良くも悪くも過去の作品だと思うんですが、それでも何とか現代風にしていたのは理解できた。だからなんとかして次回作につながってほしいなっていう。ダニーとグレースの物語をね。三度目の正直ということで頼みます・・・。