黒輔処理場

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【ネタバレ注意】『小説 仮面ライダーエグゼイド ~マイティノベルX~』感想

どうも、黒輔です。

 

6月27日に発売となったエグゼイド小説をようやく読了しました。

 

平成ライダー中でも稀に見る面白さだった本編、そして先輩ライダーの出演もあり年末に大いに盛り上がった平成ジェネレーション、豪華3本立てとなったトリロジー・・・

驚きと感動を与えてくれたエグゼイドと脚本の高橋悠也さんですが、今回の小説では語られなかった要素をふんだんに使い、我々を夢中にさせてくれます。僕も2時間ちょいで読破してしまいました。

 

いわばエグゼイドファンへの「ご褒美」(という名の爆弾?)でしょうかね・・・。

 

小説 仮面ライダーエグゼイド ~マイティノベルX~ (講談社キャラクター文庫)

 

さてここからはネタバレになりますが宜しいでしょうか?

YES... スクロールする。

NO... ブラウザをそのまま閉じる。

 

 

 

 

 

 

 

エグゼイドには今までたくさんのジャンルのゲームが登場しました。

アクション、RPG、シューティング、レース・・・更には恋愛ゲームまで。

今回は今まで出てこなかったジャンルである、ノベルゲームの世界を舞台とし、さらに本編ではあまり描かれることのなかった主人公・宝生永夢の過去を描いています。

 

これは、題材としてバッチリだと思います。

もちろん媒体が小説ってのもあるんですが、ある人の人生をひとつのストーリー、そして選択の連続と考えると、ヴィジュアルノベルというゲームの形は、永夢の過去を掘り下げていくのにこれ以上なくマッチしているといえるでしょう。

ただ、世の中のノベルゲームが未来に進むのに対し、今回は過去から現在に戻ってくる、という点では新しいと思います。

 

 

 

 

今回の小説のメインコンテンツはなんといっても永夢の過去ですが、ともすれば「本編でやれ」と言われそうなものですが、今回描かれたのはとてもニチアサで子供にお見せできない話でした。

「永夢は両親を亡くし、施設か何かで育ったのではないか」という仮説もありましたが、実際はそれよりも辛く、かつ生々しいもの。

こういう例、ここまで極端なものはないにしても、現実の社会で起きているのではなかろうか。

「親の心子知らず」とよく言いますが、「子の心親知らず」でもあるんですよね。そして子供は親について簡単に諦めてしまうんですよ。

 

まあとにかく、これを読めば、なぜ永夢があそこまでゲーム大好きなのか。

それなのになぜゲームを一緒に遊ぶ友達がいなかったのか。

そして「命の大事さ」にこだわるのか。

永夢から生まれたパラドはムテキにフルボッコにされるまでそれを分からなかったのか。

それを知ることになるでしょう。

 

こうして永夢のバックグラウンドが明らかになることで、ときおり不気味ですらあった本編での彼の行動にも説得力が生まれ、見返すときの楽しみが増えるというものでしょう。

いやはや、感服いたしました。

この設定、TVシリーズのホン書いてるときから考えてたんですかね??それにしても重過ぎるわ!そして日向審議官が怪しいとか言ってた人はごめんなさいしましょうね!!

 

エグゼイド作中では小児科、外科、放射線治療、などの医学分野が出てきましたが、今回心療内科への言及があったのも面白いですね。

永夢の「患者を笑顔にする」という信条ともリンクしてくる部分です。

 

永夢のことに隠れがちですが檀一家の悲劇についても、ポッピーの中の檀櫻子の記憶として語られていますが、こちらもやるせないですね。

いや、正宗の、野望に目がくらんでしまった姿はあまり擁護できませんが、今までほとんど描かれなかった、異常な父子を目の前にして何もできることがない櫻子と、才能がありすぎるゆえにその後の道を決定付けられた黎斗がかわいそうで・・・

せめて永夢ともう少し違う出会い方をしていたらなと、思ってやみません。

 

その永夢と黎斗は、そのライダー態に象徴されるように、やはり対照的な二人として、最後の大立ち回りを演じます。

表紙にエグゼイドだけでなくゲンムもいるのがなかなかにくい演出です(しかも背景カラーはゲンムの紫だし)

最終的に、エグゼイドとゲンムの決着にもって行き、本編最終回でも示された「現在はさまざまな厳しい現実に直面しているけど、それでも不断の努力を続け明るい未来を目指していこう」ということを改めて示す、エグゼイドの(現時点での?)完結編にふさわしい一冊でした。

 

 

本編で語られなかった過去を語り、他のキャラも掘り下げ(飛彩、大我、貴利矢、パラド、ポッピーのそれぞれの視点で描かれる節もキャラのしゃべってる姿がありありと思い出されてわくわくしました!)、因縁の二人に決着をつける、もうこれ以上はないってぐらいなんじゃないかな。

 

欲を言えば、これの映像化ですとか、それぞれのハッピーエンドも見てみたいですが・・・

ともかく、最初はなんじゃこりゃ!?と思ったエグゼイド、終わりまで来てみればすばらしい出来でした。

 

このようなライダーが拝めたことに感謝します。