黒輔処理場

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感想『劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』

 

「こういうのが見たかったな、っていうタイガの一片」

 

 

お久です、黒輔です。

 

久々の更新は、先日ついに公開となりました

『劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』

 

初日に観ることができたので簡単にですが、タイガ本編の振り返りを交えつつ映画の感想を。『タイガ』は個人的に、「色々と惜しい作品」だなと思っていまして、今回の劇場版を観ると「いいじゃん!」と思うと同時に「こういうことをもう少し本編でもやってくれたらよかったのに!」と残念な気持ちを感じずにはいられませんでした。

 

逆に言うと、映画では本編でなかなか見ることのできなかった要素もあり、先輩方の豪華な客演もあり、ニュージェネシリーズを追いかけてきた人・なんやかんや言いつつもタイガを観ていた人には一見の価値ある作品でした。

 

以下、ネタバレを含む感想

【映画パンフレット】劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス

 

『タイガ』のテーマとその描き方について

昨今叫ばれる「多様性」といったキーワード。理想的な概念だとして積極的に唱える人もいれば、そこにどこかキレイゴト感や胡散臭さを抱いてしまう人もいます。まあ、平たく言うと「様々な背景や特質を持つ人々が平等な権利を持ち、共存共栄できるようにしましょう」ということなんですが、『タイガ』はこのことをテーマにしていました。

 

ではどう表れていたかというと、「宇宙人や超能力者がひそかに暮らしている地球、という世界観」「各々出身地の異なる3人のウルトラマン」「様々な背景を持つE.G.I.S.のメンバー」というデティールに落とし込まれていました。

 

確かに、「いかにして異なる背景を持つ人間同士が分かり合うのか?」といった問題はこれから考えていくべきですし、それを子供番組で取り扱うことには大いに意義があると思います。

 

ですが、それはそれとして、『タイガ』本編が面白かったかというと、個人的にはイマイチな回の方が多かった...「周りのキャラが濃いからか、逆に主人公ヒロユキのキャラが薄く感じられてしまう」「せっかくいる3人のウルトラマンがいまいちストーリーに絡まず、戦闘時に出てくるだけみたいな回も多い」「ゲストの宇宙人の苦悩を描くのはは良いとしても、毎回のように雑に死ぬので、ひたすら後味が悪い上に、ワンパターンに感じられる」など。

 

尺が2クールしかないという問題もあるんですが、もう少し3人のウルトラマンやE.G.I.S.のメンバー中心に組み立てた脚本でお話を回せればよかったと思うし、制作側が描きたかったテーマも描くことができたんじゃないかな???と惜しまざるを得ない。

 

今回の映画では、ヒロユキとタイガの関係やタロウとトレギアの因縁に比重を置いており、地球の中で暮らす宇宙人の描写なんかは控えめでした。(このテーマをもっと映画でも詰めてほしかったという気持ちもある)

 

しかし、序盤のダダ戦ではイージス所属の宇宙人も活躍しますし(ただ序盤で退場し、最後のシーンにもいないのは如何なものか)、3人のウルトラマンが並び立ったり、更に様々な出身の先輩ウルトラマンたちが共に戦うなど、ともかく映画が良かっただけに本編もっと上手くいったんじゃないかな、と思ってしまった。

 

タロウとトレギア

トレギアお前... 気持ち悪いな!(いちおう褒めてる)ショウにまで「こじらせている」と言われるぐらいですから本当にアレ。対するタロウはつねに「なぜおまえはそうなってしまったのか?」という困惑と哀れみの表情が伝わってきました。ウルトラマンの能面演技はすごい。

 

タロウのようになれず、また希望や絆を理解できないトレギアと、そんな彼をまた理解できないタロウのすれ違いというのが断片的に描写されており、非常にせつない思いにさせられました。

 

超全集収録の「トレギア物語」を踏まえると、なんというかトレギアのことを憎めなくなっちゃうというか。勝手に絶望して勝手にキレてるだけかもしれないですけど、厭世的になっちゃう気持ちはわからなくもないですよ。(そして地味にトレギアに影響を与えてしまっているヒカリ...)

 

でもやっぱりタイガ本編ではトレギアのことはよくわからなかったので、もう少し過去や因縁に触れていれば今回の劇場版ももっと楽しめたのに...という一抹の残念な気持ちも。

 

 

先輩ニュージェネウルトラマン

これは良かったね!劇場版ならではのプレミアム感、そして全員の同時変身とそろい踏みはスクリーンで観るのにピッタリ。リクの「お父さんと戦うってつらいよね」が激重で死んだし、湊兄弟は彼らの周りだけ違う空気が流れていつつ先輩していたのがよかったね。(イサミ「中々のイケメンだけど... 俺には負けるね」カツミ「(表情を全く変えずにスルー)」はめちゃくちゃ面白かった)

 

ガイさんの相変わらずのこっちが恥ずかしくなるぐらいのキザ感もよかったし、恥ずかしながら『ギンガ』『ギンガS』『X』は未見なんですけど、ヒカル・ショウ・大地およびギンガ・ビクトリー・Xもかっこよかったです。追わないとな...。

 

アクション面

相変わらずミニチュアの凝りようがすごい。ホントに。語れるほど詳しくないからひたすらスゴイとしか言えないのですが、円盤とか出たら一時停止とかしながらじっくり観察したいものですね。

 

タイガ・タイタス・フーマの連続チェンジやそろい踏みも本編で観るより良いものでしたし、タロウのウルトラダイナマイトやっぱり文字通り燃える。ニュージェネ先輩方は、欲を言えばもう少しいろんなタイプチェンジが見たかったけど、劇場版形態揃い踏みは迫力ありましたね。

 

そして目玉だったウルトラマンレイガ。正直ニュージェネそろい踏みだけでおなか一杯で「ここからさらにレイガがくるのかよ!」って感じだったんですが。強かったですねぇ。。。ただ、肝心の戦闘にはいまいち映像の面白みがなかった!単調にどーんどーんって感じでした。残念です。

 

なんでレイガの変身アイテムがウルトラアイタイプなんだろ?というのはちょっと疑問でしたが、トレギアを最終的に倒すから対になるような変身アイテムなのかなと思うと、まあしっくりくるような気がします。

 

一番好きだったところ

タイガの父・タロウが怪獣グリムドに乗っ取られてしまったあと、自暴自棄になったタイガをヒロユキが説得しているシーン。いつもは小さい精神体だったり、逆にでっかかったりするタイガ。でもあのときは等身大の、ヒロユキと同じ大きさなんですよね。

 

たぶん似たようなシーンは本編にもあったんだろうけど、改めていいなぁと思って。インナースペース的なフィールドではなく、普通にその辺の屋外で話してるってのも良い。ともに戦う対等な仲間っていうのが感じられて、好きなシーンでした。

 

(ただ、序盤の「ヒロユキは無茶しすぎ」と言われていたのが、結局後半の展開に活かされず、流れていってしまったのは何故?タイガが「お前だって無茶しすぎなんだよ!」とかいってお互いを諫めあう感じにもできたのではないかなーと思うんだけどな。)

 

本編では、面白くなりそうだっただけに色々と惜しい点も多かった『タイガ』でしたが、今回の劇場版である程度は救われたなと思います。昨今の事情で、公開延期していた映画作品をネット配信に切り替える作品も出てくる中で、劇場公開を決定してくれて本当に良かった。円谷プロの邁進これからも楽しみにしています。

 

 余談

Z面白いね。

 

ウルトラマンタイガ DXニュージェネレーションアイ

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  • 発売日: 2020/02/01
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 
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