どうも黒輔です。
昨年秋から鳴り物入りでスタートしたTVアニメ『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』、先月の第22話をもって完結いたしました。丁度スマホアプリの方でも全22節ですので、それに合わせた形となるのでしょうか。
私もこのアニメ化はとても楽しみにしていました。元々1部7章は人気が高く、自分も好きな話でした。傲慢な側面を残しつつ賢王となったギルガメッシュ、絶望的な状況の中立ち向かう主人公たち、マーリンやアナといった癖と魅力のある仲間、それを引き立てるラフムの胸糞悪さ、キングゥの決断、そして山の翁の登場・・・。
原作者の奈須きのこ氏がストーリーを書いたということもあり、面白さはお墨付き。好きな人も多いでしょう。すべての支持者がアニメ化に際し、大きな期待を寄せていたでしょう。
しかしながら、実際は、個人の意見を述べますと、やや残念なアニメ化と言わざるを得ないものでした。原作の良さを活かせず、また問題点を浮き彫りにしてしまう結果になっていたようでした。
いいとこ
・・・悪いとか言うだけってのもアレなので好きな点を先に書いていきます。
主題歌
「Fateには合わない」と言う声も聞かれたUNISON SQUARE GARDENによる主題歌「phantom joke」。僕は好きですね。音楽詳しくないんで、どこがどう良いとかとはちょっとよくわからないんですが、なんかリズム感とかいいと思います(小並感) すき。
作画
作画は良かった。厳しいアニメ業界、絵がどうしても崩れてしまう作品は少なくない。しかし、さすがはFateのアニメシリーズである、大きく崩れてしまった回はなかったと思う。
戦闘シーンの迫力は十分だった。1話のイシュタル戦は気合が入っていたし、ゴルゴーンvs牛若丸も素晴らしかった。乱れ伸びる腕を縦横無尽に移動する牛若丸・・・かっこよかったですね。エレシュキガルやギルガメッシュの技エフェクトも美麗だったと思います。
強いて言うなら、お尻とかのドアップってあんまりやりすぎるのしつこいし下品になっちゃうんで、もう少し少なくても良かったのかな、とは。あとちょっと顔がのっぺりしてる感もあるが、ちょっとね。
声がつく
FGOはフルボイスのゲームではないので、ストーリーにおけるセリフは各自脳内で再生するしかありません。ですが、今回はアニメなので原作のあんなセリフやこんなセリフに声がつくわけです!声優陣のみなさま、良い演技でした。特にギルガメッシュの関さん。アーチャーのギルガメッシュとはまた違う、いい感触の声だった。ユーモアもあって・・・。
よくないとこ
主人公
ネット界隈で不名誉なあだ名をつけられてしまった主人公。まあ、いつものタチの悪いノリが半分、作品への批判半分という感じだったと記憶していますが(あとは侮辱的な言動もあり)、確かにこの主人公が魅力的に描かれていない。藤丸立香は、作品で描かれている通り善人であるのはよくわかります。だから、僕は彼が嫌いというわけではありません。あくまで描き方が良くないのでは、といいたい。
藤丸はソーシャルゲームの主人公である以上、ゲーム内のストーリーではできるかぎり無個性なキャラクター付けがされています。様々な人間がプレイヤーとしてなりきる以上、強烈なキャラにするわけにはいかないからです。それに、ゲームとしてプレイヤーがコマンドを操作しますので、体感的に主人公というキャラの無難さなどは分かりにくいです。
しかし、アニメではどうでしょう。現地サーヴァントに指示を出したり、文字通り精神的支柱となっている描写はあるものの、彼自身が「なにもしていない」感が出てしまっている。これは問題だったのではないでしょうか。せめて、一時的に使役できるサーヴァントを呼び出したりしている、みたいな描写があれば・・・。
構成・演出など
なんだろうな。。。原作のストーリーを淡々と消化している感があったというのかな。まあ、8話ゴルゴーン戦とか、20話の最後で翁が出てくるところとか、盛り上げるところは盛り上がっていたけど。特に序盤とか、前半で戦闘やって後半は普通にお話しして終わる回もあったし、ケツァルを仲間にするところなんかは謎のカットがあったし。
あとは、特殊ED回かなぁ。せっかくシドゥリさんをフィーチャーしたEDにするんなら、なぜ後半を黒化牛若丸に尺を割いたのか?しかも、その牛若戦も思ったよりアッサリ倒してしまった。もちろん長くやってもよくないけど、多くのプレイヤーが苦労したところだから、もうちょっと手間取る感じでも良かったのではないかと。
そんなこんなで...
始めは7章のアニメ化ということでとても期待していたんですが、話数が進むごとに少しずつ少しずつ本作への信頼が削がれていって、盛り上がるはずの最終決戦では何の感情も残らなくなってしまった。
ソロモンアニメ化の報せを聞いても「そう...」としか思えず。2016年12月の、原作プレイ時のあの興奮は嘘だったのだろうか?自分の感性への疑念すら抱きながら、ウルクでの旅は終わりを迎えていったのでした。うーむ、残念。
6章・神聖円卓領域キャメロットは劇場アニメ2部作となりますが、いいアニメ化になるといいね。ベディヴィエール推しなので彼にしっかりフォーカスしてくれることを望む。
P.S. そういえばアーサー王の墓を訪れる特番も見たんですが、川澄さんって見た目お若いんですね・・・おっさんびっくりしちゃったよ・・・