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感想『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』は予想不可能の大怪作だった!

どうも、白倉伸一郎に敗北した黒輔です。

 

本日公開と相成った『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』。いやー予想の斜め上すぎる展開でした!!!これ事前に予想できた人、います???毎週映画の新規映像が解禁されるものなので、「これ見せすぎじゃない?大丈夫?」とか思ってましたが、バッチリ劇場での「驚き」が残されていました。しかし、それはこれまでの『ジオウ』のサプライズとは全く性質の異なるもの。「俺は一体何を見せられているんだ・・・?」そんな気分になった映画でした。

 

冬の『平成ジェネレーションズFOREVER』とはまた違った角度で『平成仮面ライダーシリーズ』をまさしく総括していく、そんな映画に仕上がっていたといえるのではないでしょうか。いやァぶったまげた(笑)

 

以下ネタバレ注意

 

劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer オリジナル サウンド トラック

 

 

ISSAがノリノリで演じている人物こそ常盤SOUGO、なんとソウゴはSOUGOの影武者だったという展開。彼と"クォーツァー"の目的は「平成の歴史と平成ライダーを作り直す」ことだった。「平成ライダーは設定も世界観もバラバラすぎる」「そして平成という時代そのものも...」しかしこれこそが、これこそが平成仮面ライダーシリーズの魅力なのである。何なら、1作品のレベルですらも、着地点を明確に決めず、その場の勢いや急な予定の変更で物語が転がっていくこともあった。これは時に批判を受け、しかし時に爆発力を生んできました。それはそれで、色々あったけどそれでも良かったねって、「例え不揃いで凸凹でもこれが私たちの『平成ライダー』です」という力強いテーマがそこに描かれていました。

 

そして平成ライダーという枠はただのテレビ番組にあらず。マンガ、会員制サイト、バラエティとのコラボ、ネット配信、舞台にまでその手を広げ、それに呼応するかのように仮面ライダーブレン、ゴライダー、斬月カチドキアームズ、マンガ版のクウガ(しかも絵のまま出てくる!)、仮面ライダーGまで登場する。まさかの登場である。こんなのは誰も予想できなかったと思う。でも、何もTVシリーズの20人だけじゃなくて、今回敵ライダーのモチーフとなったRX、ネオライダー、アマゾンズも平成のライダーだし、まさかの登場を果たしたライダーたちだってそう。ここまでやってくるとは・・・ スタッフたちの行動に経緯を表するッ!

 

仮面ライダークウガ (11) (ヒーローズコミックス)

仮面ライダークウガ (11) (ヒーローズコミックス)

 

 

 

極めつけは仮面ノリダーの出演。劇場では噴出す人が多数。子供たちは「1号ー?」って口々に呟いてましたけど大丈夫なんですかね・・・さすがにこれはええんか・・・とも思ったんですけれども。メタフィクション的作品として、影武者として祭り上げられたソウゴを、同じくコメディとして祭り上げられたノリダーが激励するというのも、まあ、いい構図だったんじゃないでしょうか笑。ただ個人的には、ノリダー世代じゃないので、「あれっこの人もしかして仮面ノリダー・・・?だよね???」的な反応しか出来なかったのはマジで悔しい。せめてあと5年~10年僕が早く生まれてればなー!!でも彼も一応平成を駆け抜けたんだよなあ・・・

 

あと、平成ライダーたちのベルトを20人分アップで映してたのも印象深い。いわば変身ベルトって仮面ライダーのアイコンですからね。作品の中でも、商業展開としても一番のキモになるわけです。しかもそのベルトも20作の中で変遷してきた。あそこも良かったなぁ。

 

そして何ですかアレ。平成ライダー20kicksロゴをかたどったあのキック。

Over

 ↑これね。他のコンテンツなら「この構図をやりたくてこのロゴにしたのか!」とか考察するところだけど平成ライダーに関しては違うと断言できる。絶対その場のノリで作っただろ。「夏映画では平成ライダー全員の一斉キックやるか・・・ん?このロゴを被せればいい感じになるんじゃね!?」って感じでやってただろ。はい。これこそがライブ感というか、この映画のテーマを象徴するシーンのひとつだなぁと。

 

さらにあの「平成」を持って爆散するシーン。「その畳どこから出した?」なんてこの映画じゃ突っ込んではいけないんだ・・・なぜならライダーキックで空けた穴で「平成」の文字を作るためだけに出てきたモノなのだから。いつかの春映画で「40」を象ったライダーキックをやったことがあったけど、今回はその発展形でもありますよね。RXをかたどったライダーを平成ライダーたちでボコボコにするのは正直ええんか・・・という感じではありましたが・・・ 仮面ライダーたちのロゴが迫ってくるあたりはもう泣いていいのか笑っていいのか。まさに万感胸に迫る思いというやつでしょうかね。でもやっぱりあのシーン考えた人は薬キメてると思います。

 

正直よくわからんところは無限にある(主にジオウ側のあれこれ)し、「ただの開き直りじゃねぇか!」って言いたくならなくもない。確かに、平成ライダーの歴史は振り返ってみてもデコボコしすぎていると思う。血気盛んな頃は本気で憤ったようなモノもあった。だが、そこにはその時その瞬間を一生懸命に駆け抜けていたものたちがいた。そのひとつひとつはやっぱり尊かった。過去の喜怒哀楽も今のなってはいい思い出で、なんだかんだで「平成ライダー」というコンテンツを追いかけていてよかったと思わせてくれたのでした。Enjoyしなきゃもったいない!

 

『平ジェネFOREVER』が、「ヒーローとしての平成ライダー」の話だったなら、今回は「コンテンツとしての平成ライダー」を扱った映画だったと思います。いい映画でした。ジオウの終わりとゼロワンの始まりも楽しみです。

 

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