どうも、黒輔です。
待ちに待った『アベンジャーズ/エンドゲーム』ついに公開です。
この1年、長いようで短くて でもやっぱり長かった!
前置き インフィニティ・ウォーから1年
思えば、前作『インフィニティ・ウォー』はエポックメイキングな映画だった。というのも、ヒーロー映画でありながらまるで悪役が主人公のような映画だったからです。
サノスは独特の正義によって行動しており、その為には宇宙の人口を半分にさえする。自分の崇高な目的のためなら犠牲を厭わないタイプ。ただ、今までのアベンジャーズだって救えなかった人たち・犠牲にしてしまった人たちは沢山いたし、その論点で分裂まで至ってしまった。
この点においてヒーローとヴィランの線引きが曖昧になり、アベンジャーズはパワーでもロジックでもサノスに敗北してしまったんですよね。サノスも部下を失いはしましたが、勝利条件は達成したわけですし。
もちろん、各ヒーローに見せ場をきちんと作ってましたから、これはマジで離れ業だと思う。考え抜いたんだろうなぁ。
しかも、『アベンジャーズ』においてチームを結成し、『エイジ・オブ・ウルトロン』でヒーローの力への疑問という種を撒き、『シビルウォー』でついに分裂させ、『インフィニティ・ウォー』で盛大にそのツケを爆発させるという、とても丁寧な(そして金のかかった)物語の積み重ねをしてるから説得力もめちゃめちゃある。
MCU第1作『アイアンマン』からは11年、無印『アベンジャーズ』からは7年というリアルの時間の経過もあるので、視聴者たちにも物語を噛み締め、考察する時間、何よりマーベル・シネマティック・ユニバースへの「想い」を深める時間を与えることで、さらに観客を夢中にさせることに成功してるのではないでしょうか。
そう考えるとこの『エンドゲーム』はまさに奇跡のような作品ですよ。どこかの作品で成績不振になりシリーズ打ち切りになるかもしれないし、時間をかけ過ぎて飽きられる・忘れられるかもしれない。実際に打ち切りになった映画シリーズやリブートしたシリーズは数知れず。
そんな中でMCUはシリーズを10年間・20作以上も続け、この「ひとつの最終作」まで漕ぎ着けた。背景にはディズニー・マネーの存在もあるのでしょうが、スタッフ・キャストの尽力と世界中のファンの力で達成した「偉業」だなと思います!
ここまでは「エンドゲーム」鑑賞前に書いてます。さて、実際に見たあと私がどんな感想を抱くのか楽しみです・・・
余談なんですけど私、楽しみにしてる映画の予告は繰り返し見ないようにしてるんですよね。極力シャットアウトしてます。
シアターで流れるやつは仕方ないですが自分から見には行かないですね。予告って大体良いシーンで構成されてるので、何回も見ると覚えちゃうんですよ笑それで本編見て少しガッカリしたことがあるので・・・
では鑑賞。
ここから先はネタバレ入りそうなので未鑑賞の方は進まないでくださいね!?!?
・・・
3時間の映画とか観るのなかなかないぞ・・・心配だわ
— 黒輔 (@KuRoSuKe404) 2019年4月26日
・・・
いやぁ・・・
正直、見た直後の感想としては、最後の方の「とある展開」がショックで、受け止め方が良く分からなかったんですけど、「これで終わるんやで」という制作側の「気概」のようなものは確かにありましたね。
「俺たち全員がアベンジャーズだ!」と言わんばかりの大決戦は最高でした。
「アッセンブル!」もついに聞けたからね。
サノスはなぜ負けたのか?
ヒーロー映画なので、もちろん最後にアベンジャーズがサノスに勝利することが約束されているわけですが、まさか冒頭でいきなりサノスが死んでしまうとは。
しかし、フィンガーパッチングを2回使ったサノスはもうボロボロで、首を刈ったところで意味が無い。ストーンは原子に還り、存在しないからだ。
ボロボロのサノスに対し、怒りに任せてRevengeしても、ただ虚しいだけ・・・
ここでアベンジャーズはまたしてもサノスに敗北したのです。
さて、中盤で過去のサノスは未来の自分がアベンジャーズに首を刈られること、そして自分が成し遂げたことをひっくり返されそうになることを知りました。そうして現在の地球にやってきたサノスは「宇宙の人口を半分にするのは不十分だ。全て破壊して1から作り直すしかない。」「地球とアベンジャーズはいたぶって消滅させる」と、自分の未来を知ったことで変わってしまったのです。
対するアベンジャーズは散った仲間の為、そして宇宙を救うため、アッセンブルした。
正義の名の下の復讐であるAvangeと自分の為の復讐であるRevenge、どちらが勝利するかは明白ですよね。
「エイジ・オブ・ウルトロン」で未来を視て一度は怯えたトニーと、未来を知って復讐しにやってきたサノスも対照的です。
セルフ・オマージュの数々
ナターシャやキャップといったメンバーが仲間を集めるところは、細かい違いはあれど第1作『アベンジャーズ』を思わせる作りになってました。ローニンとなって闇の世界に入ったホークアイ、1作目ではロキに操られた手下でしたからね。(申し訳ないが真田広之と戦ってるシーンの日本語?はよく聞き取れなかった...) それに自信なさげなバナーとか、ちょっとキャップに食ってかかるトニーとか。
ただあの頃と違うのは、今は沢山の仲間がいること。そして「Avengers」の名の通り多くの喪った者への義理と言うものもある。これはコールソンを失った第1作と共通だ。そして各々の生活に身を投じていたメンバーが集まり再び戦う。
タイムトラベル展開、予想はされていましたがまさかピム博士の技術が使われるとは。ピムとスタークがついに和解!?間接的にですけど。でもガチで功労者でしょ。ピム博士。
先ほど、「MCUの武器とは時間と世界観の積み重ねだ」と鑑賞前に書きました。今回は「タイムトラベル」というSF作品の「一種の王道」の枠組みの中で、その武器をふんだんに有効活用している。部分的ではありますが、過去にジャンプし、「現在」のキャラクターと観客が、過去のキャラクターたちを客観的に眺める。過去作を思い起こさせるセルフオマージュの数々。それがストーリー的にも、観客のテンション的にも「卒業式的な終わり」に向かわせていくんですよね。
『アベンジャーズ』の後の戦後処理が垣間見れたのも面白かったですし、そこでは
・アイアンマンが飛び降りながらアーマーを装着するシーン
・キャプテンがウィンターソルジャーをシメるシーン
・エレベーターでの戦闘シーン(未遂)
などの過去作を思わせるシーンが。それにしてもS.T.R.I.K.E.のメンバーなんかが再登場するとはね~。
他にも予想外の再登場キャスト。ソーのお母さんやジェーン役のナタリー・ポートマン、ストレンジのかつての師匠エンシェント・ワン、さらに『ウィンターソルジャー』の黒幕だったアレクサンダー・ピアース役ロバート・レッドフォードという大物まで!
細かいシーンを抜き出せばキリがないですねこれ。
まぁ一番グっときたオマージュは「私はアイアンマンだ」でしょうか。
「オッ!」と思いましたもの。
アイアンマンに始まり、アイアンマンに終わる。いやーきれいなラストだ。
そう思いました。この時までは・・・
「彼」の死に、受け止め方が分からない
なんかもう。。。『インフィニティウォー』見終わった後よりも呆然としちゃったんですよ。
死ぬとは思っていなかったんですよ。重傷負ったけどまあなんだかんだで助かるやろなあ、ぐらいには思ってたんですよ。
そしたらなんか、葬式始まってるんですよ。
成長したハーレー少年(アイアンマン3に登場)も出席してるし。
紆余曲折の末、結婚して娘も生まれて、これから幸せに暮らしていけたはずなのに・・・
ナターシャがあそこで犠牲になったのは、まだ理解できた。
サノスと同じ方法を用いようとする以上、同じ量の犠牲を払わなければいくらヒーローといえども筋が通らないからね。
ただ前作と違ったのは、お互いが自分から犠牲になりにいこうとしていた点でしたが。
トニー・・・
ストレンジが指を1本立てて合図を送ったシーン、あそこの2人の心情を思うと「うわぁぁ」ってなりますね。「そうする(トニーがフィンガーパッチングを決める)のが唯一の勝ち筋だ」という意味を感じ取りました。トニーの覚悟とストレンジの覚悟。くそしんどい。
でもヒーローになる前のトニーだったら絶対にやらなかったでしょうね。
彼自身も成長したのだ。(過去でなにかと確執の合った父ハワードと話せていたのも彼の成長でした)
もしかしたらキャプテンに影響を受けていたのかもね。
キャプテンといえば、彼が「スティーブ・ロジャース」としての人生を生きたのは、なんだかホッとしました。それぐらいは彼に与えられてもいいはず。彼の人生は実質30年とちょっとでしょうか?ずっと他人の為に戦ってきたんだから。ようやくダンスする約束が果たせたんやな・・・
※追記 英語のセリフをよく聞くと、「トニーが言っていたみたいに、自分の人生を生きてみようと思った」と言っているみたいですね。文字数の都合で端折られてしまったようですが、そこ大事なポイントやんけ〜!
僕は、正直トニー・スタークを失ったことについてまだ消化できていなんです。
もちろん彼の決断を尊重すべきなのは分かっていますが、まさかこうなるとは・・・今でも信じられないもので・・・
ただ、「終わるからこそ、前に進め」というのがこの映画のメッセージなのかなと。
エンドクレジットの「音」が象徴するように、アイアンマンで始まりアイアンマンで終わったこのシリーズ。
今は、映画史に残るこの作品に立ち会えてよかったと思います。
ありがとう、3000回愛してるぜ。

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