ども、黒輔です。
先週より配信されているFate/Grand Order 第2部 第3章『人智統合真国シン 紅の月下美人』ようやくクリアできました。
まとまった時間がとれず、土日も手がつけられなかったのでちまちまやってくかー・・・と昨日手をつけたら止まらなくなってしまい結局勉強とかそっちのけでやってしまった。
いや、虚淵玄氏がライターなだけあってクオリティ高かったと思います。
2部に来てからは各シナリオの最初と最後を奈須きのこ氏が書いているおかげもあるのか、ハズレが無いように思います。
言っちゃ悪いけど1部と1.5部はまあ・・・微妙な奴もあったからね。
で、テンションが上がったので筆を執ってみた次第です。
紅の月下美人とは誰だったのか
3章の配信日にかの中国武将「項羽」が実装されると聞いてから、「んーこりゃ紅の月下美人って虞美人のことだったりしてw」なんて思ってました。
ホントにそうだったよ!
しかもピックアップ2開始時まだ途中だったから公式からネタバレ食らったよ!あとTLの反応から芥ヒナコが虞美人だってのもなんとなく察したよ!
いや、FGOの「みんな数時間前実装したシナリオはもう見終わったね?じゃ次いってみよう!」(昨年の年末時)「セイバーとの出会いなんて皆知ってるだろうから今回の映画ではカットするよ!」(ヘブンズフィール公開時)なスタイル嫌いじゃないけどこう・・・も少し手心というか・・・。
クリプターの正体が人間じゃなかったってのは「こういうのもアリなんだ」と素直に驚かされました。
芥ヒナコについて張られていた伏線の糸がスルスルと解けていって気持ちよかったですねー。
虞美人については項羽の愛人だったって情報以外なーんも『史記』には書かれていないので、こういう型月時空に組み込みやすいってのはあるんでしょうね。
あと漢文の教科書に載ってるぐらい有名だし。始皇帝も中学で習うし、荊軻の暗殺のくだりも漢文でやったので懐かしかった。
ちなみに数研出版の教科書でした。
人ならざる王、始皇帝と項羽
このFGOにおいて、始皇帝も項羽も人ならざる者でした。まあ他に真祖とか馬とかもいますがこの二人に注目してみましょう。
始皇帝は「この異聞帯において唯一の人だ」「人に間も類も要らぬ」と自称していましたが、不老不死を成就したこともあり姿は異形そのもの。
項羽も「実は仙術のからくり人形だった」というとんでも設定になってますがとにかくこの二人は人じゃない、機械。
よく「あいつは機械みたいだ」とか「機械のように働く」とか、何かの目的・行動に一直線すぎる様子をこのように比喩することがありますが、まさに項羽も始皇帝も天下を平定する為の機械演算を続けていた、つまり本当に王たるための機械でしたよね。
王に求められるのは人格とかそういったものよりも、そういう機能的な部分だってことを敵役に示させて、人理を背負う主人公たちがそれを打ち砕く(どっちが正しいとかではなく、あくまで人間、人民のみかたとして)。
そういう人を自称しながら機械に徹してた始皇帝が人の姿を取って出てきた時点で負けは確定だったとも言えなくもない。
まあこの話は機械対人間って話では全く無いので誤読に片足突っ込んでるかもですが、できすぎた為政者は機械のようだ、っていうある種の皮肉が込められてんのかなぁ、とは思いました。
王とは何か、という話はzeroでもやってたのでこういうのが氏は好きなんですかねー。
まあこの節は深読みしすぎかなと思うしうまく文章に出来てないのでふわっとしてますが・・・ご容赦ください。
未来の無い安寧か、進歩を生み得る苦境か
中国異聞帯はある意味理想の世界でした。人民は四苦八苦から解放されており、戦争という概念すら過去のものとなっている。
「あー、こんな世界ものどかでいいもんだな」と思ってしまったぐらいですよ。ロシアや北欧よりよっぽどマシでしたよね。
でも、この世界はこれ以上発展しない。
そして人々には自由が無い。
対する汎人類史は、未だに苦しみ絶えぬ世界ではありますが、技術と文化が多くの人々の手に渡り、無限の可能性を生む(もちろん、実際に起こる結果は有限ですけども)。
こういう、言い方はアレですがどっちもどっちな、相容れぬふたつの意地のぶつかり合い、燃えますねー。同じく虚淵氏脚本である『仮面ライダー鎧武』の最後思い出した。
どちらにも正しさはあるんですけど、fateは人間の自由を肯定する物語。
人類史側が勝つのは分かってはいるわけですが、いやはや、息を呑みました。こういう、今は辛くても未来に希望を持たせる話大好きだなー。
余談だけどスマホゲーでスマホが人類の強みの象徴として出てくるのなんか良いね。
始皇帝は汎人類史を認めたものの、項羽は認めず最後の戦いを仕掛けてきました。虞美人と同じく、どんな結末であっても愛するものの為戦いたかったのでしょう。
これはこれで、かっこいいんだけどね。
ロシアはもはや人間が人間じゃなかったし、2部としてはまだ導入って感じもあった。
北欧は、人間がある年齢で強制的に死ぬことを定められていたけど、その世界を切除してよいのか?汎人類史の価値観を押し付けているのでは?という批判や懸念も作中の問いとして、また読者からの意見としてありました。
3章はある意味その回答のひとつだったのかな。行き詰まりよりも未来が開けているほうを選ぶべしという。
ただ難しい問題なので、これからどう展開するのかってのも気にしていきたいですね。
その他
始皇帝がわざとコヤンスカヤの名前を間違えまくってるくだりで毎回笑った。朕いいキャラだったなー。尊大かつお茶目で。
あと馬もまじで面白かったけど陳宮と馬はどっちかってーと賑やかし要員って側面が強かったように思える。まあ、よい清涼剤だった。
陳宮は今後実装されるのかとか、EXシリーズのラニに似てるとか気になりますけど。あとなー秦良玉も虞美人もキャラデザが良いんだなー・・・とくに虞美人は第1段階めっちゃ好き。朕と虞美人目当てでPU2回したけどダメでした。はい。
衛士長と韓信も良かった。いまどき韓信みたいに顔がデブでどもりまくってるオタクなんて絶滅危惧種でしょ(笑)
分量もちょうど良かったんですけど、蘭陵王の掘り下げはもう少しあってもよかったかも。
後半のインパクトがいろいろすごかったんで中盤で退場した彼はちょっと印象が薄くなっちゃった感あり。
哪吒とモーさんももう少し見せ場あってほしかったかな。
いやー、2部3章よいシナリオでした。2部の完結はたぶん来年の末とかになるんでしょうけど、今年の年末はなんかあるのかなー。
クリスマスイベントとニューイヤーイベントがあるでしょうから、年末ぐらいは特番ぐらいで穏やかに、ってのもアリですけどね。
設定まとめ・・・は時間があったらやりたいですが今回は大体introに集約されてるのでそっち読み返したほうが早い感ありますね。あの銀の奴が「異星の神」の代弁者である「異星の巫女」で、コヤンスカヤにも言葉が分からないと分かったってぐらい?
ともかく3章とても良かったです!ありがとうございました。
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